banner_AD

インタビュー

吉川晃司さん

このドラマのお話を聞いたときの感想は?

社会性の強いドラマにとても興味があったので、もしドラマに関われるのなら、その様な作品が良いと思っていたので、話を聞いたときは嬉しかったです。
ただ、財前という人物を演じると聞いた時は「無理じゃないかな?」と考えてしまいました。時代劇などで傾いた(かぶいた→傾く=歌舞伎の語源にもなった言葉。奇抜な身なりや振る舞いを意味する)役はそれなりにやらせていただいていますが、現代劇というシチュエーションで、かつ、役柄的に専門用語など難しいセリフが付いて回るので、心配なところでもありましたが、覚悟を決めて受けさせていただきました。

写真

原作や台本を読んだときにどんなことを感じましたか?

これからの日本が大切にしていかなければならない“夢”だと感じました。日本の土台を作ってきたのは、やはり中小企業の人達だと思いますし、足腰の強さ、粘り強さを持った人達が日本を作ってきたのだということと、これからも大切にしていかなければならないと、あらためて思いました。
言ってみれば自分も小さい会社のようなものなのですし、この世界で大企業に入って中小企業へと独立したようなものなので、佃製作所とは逆になりますが、中小企業が大企業に立ち向かうというところも、とても共感できるところです。
もちろん、大企業の気持ちや財前側の気持ちも良くわかりますが、中小企業がここで踏ん張るというのが、原作も含めてこの作品の醍醐味だと思います。それをみなさまに観ていただいて、ここ土俵ギリギリで踏ん張れるのか? 背水の陣で本当に勝てるのか!? そのスリル、ドキドキ感を楽しみにしていただければと思います。みなさんにドキドキしていただくために、財前は結構大騒ぎしていますよ(笑)。

撮影現場の雰囲気はいかがでしょうか?

現場では監督といろいろ話をしながら撮影に臨んでいますが、さすが福澤監督はラグビーで培ったエネルギーといいますか、現場の熱量というかモチベーションはすごく高いですね。エネルギーの流れが良いです。やはり現場がそういうものでない限り、良い作品は絶対に生まれないと感じていますが、このチームはすごく良いチームですし、情熱を持ってみなさん撮影に臨んでいる姿は素晴らしいと思います。当初はワンシーンでも本番の数が多くて驚きましたが、スタッフ全員で日々頑張っているという充実感は良いものです。

写真

財前を演じる上で気をつけているポイントというと?

大企業の部長で大きなプロジェクトを引っ張って、大きな目的に向かっていくぞという、それを担っている人物の存在感、それを常に考えながら演じています。それと、財前は基本亭にはクールなキャラクターですが、後半には自分の本当の素の部分を表に出し始めるので、その内側に燃えているものを隠せない男という部分も意識しています。
また、監督がものすごくスピーディーな展開を考えてらっしゃるので、セリフ回しをリズミカル、かつスピーディーにという事も意識して、監督に怒られないよう頑張っています。福澤監督にタックルされたら、自分でも飛ばされてしまいますから、「タックルはなしですよ」と、いつもお願いしています(笑)。

音楽と演技、何か通じるところは感じますか?

はい、セリフと音楽には関係があるらしく、自分はセリフをリズムで覚えていくような傾向があるようです。自覚はなかったのですが、途中でセリフや言葉数が変更されたりすることで、セリフ回しがわかりにくくなったりするということは、リズムで覚えているのかなと思います。

以前にも阿部寛さんと共演されたことがありますが、阿部さんの印象というと?

セリフ回しもものすごく上手ですし、芝居も上手、そして瞬きしない!(笑)。大河ドラマでそれぞれ織田信長と上杉謙信の役で撮影したときのことですが、ずっと阿部さんを見ていましたが、そのとき一度も瞬きをされずにいらして、それがとても印象に残っています。
それと、阿部さんのお芝居には、ご自身の懐の大きさとか優しさが感じられるので、それも好きなところです。阿部さんの映画もたくさん観ていますが、中でも『自虐の詩』がいちばん好きです。

写真

ご自身の夢というと?

何かものを作って表現すること、それと身体を動かし体現するのが好きだったので、両方できるのは何かなと考えたとき、歌い手なら両方できるかなと思ったのが高校生の頃でしょうか。それになろうと思ってから、もう30年が経ちました。
自分で言うのも変ですが、吉川晃司の人生は結構おもしろいと思います。苦労もありますが、この仕事を辞めようと思ったことはありませんし、ドラマチックな人生で飽きることがないと感じています。キツかったことはいろいろありますが、30代の頃の10年間ほど、自分の小さなスタジオのソファで生活していました(笑)。
この仕事以外、他にできそうなこともないということもありましたが、自分の言動に対してプラスアルファの力があったので、運よく転がってくれたという部分はあると思います。やはり、“継続は力なり”なのだと思います。

今後の夢を言わせていただくなら、畑仕事ですね。今でも少しやっていて、八百屋に並んでいる野菜はほとんど作りました。己でいただくものを己で作る、この生産性において、これ以上のものはないと思います。変わったところなら、パッションフルーツを作りました。パッションフルーツってゴーヤみたいな感じでグリーンカーテンになるんです。でも、キノコ作りに走ったときは、近所の方から止めてくださいと言われてしまいました。

このドラマにかける想いというと?

撮影現場はものすごい熱意で撮っていますから、すごく実感がありますね。話の中で財前がどれだけ出てくるかわかりませんが、自分なりに精一杯やらせていただいていますので、みなさんに楽しんでいただきたいと思います。

土屋太鳳さんがお届けします!下町ロケットニュース!
!-- /187334744/general_PC_RT -->

PAGE TOP